34.空調の考え方 by:kokojima

42126_normalところ変われば・・・

なつかしい左のコマーシャル写真をインターネットで見つけました。
VOLVOの740(~940)シリーズのボディーの強さ(つまり安全)をPRするコマーシャルです。

スウェーデン製のこの車、1982年から1997年まで実に15年間基本設計を変えずにつくられたもの。VWカブトムシやイギリスのMINIなどとおなじく長寿の家系です。
ちなみに私も1996年製の中古のシルバー(写真:一番下の車と同じ!)と、同じくグリーンメタリックの2台を乗り継いでかれこれ21万Km走り、まだ現役です。

airconditioner-01
今回は、北欧製の車の空調の考え方から環境への適応について考えてみます。
右の写真はVOLVOの空調パネルです。別に変なところはないですね。
数字やイラストはわかりやすく何の戸惑いもなく使えます(はずでした)。

一番左の風量ダイアルをAUTOに、真中の吹き出し口もAUTOにすればあとは右のダイアルで温度を決めればOKです。


airconditioner-02はじめてのドライブ
右のA/Cボタンを押したら赤いランプがついたのでこれでOKとディーラーを出発・・・走っても走っても涼しくならず次の日エアコン故障と車屋さんに・・・
ディーラーいわく「エアコンのスイッチが切れていますよ」
スイッチをよく見ると「A/C OFF」と書いてある!!

なんとこのスイッチ、押すと「エアコンが切れる」のです。
A/C OFFスイッチをONする?のです
極北の地では空調が切れると生命が危ないので警報的にランプが点くのです。
また隣の換気スイッチも外気導入を止めると、ガラスが曇り危険なので室内循環にすると危険を知らせて赤く光ります。

つまり、極北の冬を想定した空調は・・・常に新鮮な外気を取り入れて曇りを防ぎ、空気の汚れを排気しながら常にエアコンを入れて適切な気温を保っておくつまり空気調和の考え方です。

さらにこの車、標準でヘッドライトワイパーとウォッシャー、バックミラーとシートにヒーターがついており、したがて強力なバッテリーが乗っていて一度も交換したことがないのです。

その割に暖房が効かない?
これは車が古いからだとあきらめていたのですが、ある気温零度近い冬の夜中、眠気覚ましに窓を全快にしたとたん、今までにない大音量が響き渡りヒーターが全開に、そして大量の温風を送ってきました。
このエアコン、気温が非常事態にならないと本気にならないタイプのようです。さすがに笑ってしまいました。

改めて、取り扱いマニュアルを見ました。
1.電球の交換の仕方、使用電球の種類がすべて克明に記されている。
2.床下の塗装のはげに注意すること。タッチアップ塗装の仕方が書いてある。
3.長期駐車の場合にタイヤが変形しないようにジャッキアップするように書いたてある。
4.ボンネットはストップした点からさらに持ち上げると直角まで開くのでガレージ内で整備するときに注意と書いてある。
などなど、これはまさに整備マニュアルであることに驚きました。

便利、快適装備と安全装備
世界中でSUVと呼ばれるサバイバル的でかっこいい「4駆」ブームです。

温暖で走行距離が短く荒野がほとんどない日本でもほとんど必要のないランクルやパジェロが多くみられるのですが、車の装備自体はカーナビやオーディオをはじめ便利、快適性へと車が発展しているかんじです。

一年の半分を氷のなかで暮らさねばならない北欧の車は極限時の安全性を考えることとなる。
すなわち、車の頑丈さ、極限環境への対応、いざというときの整備のしやすさなどが考えられている。
V70_interior_04
グローバル化の時代とはいえさまざまな環境で使われる自動車。
大量生産時代のなか、どうローカルに対応していくのか興味のあるところ。

最新のVOLVOのエアコンシステム
VOLVOもフォードに買収され以前のような独自性は薄れてきた。
しかし、エアコンへのこだわりは別。
操作スイッチは運転席と助手席別々にコントロール出来、吹き出し口はわかりやすいイラストでレイアウトされている。もちろんどんなグレードであれ後席への配慮も忘れていないのは、エアコンが快適装備でなく安全装置であるからだろう。

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